
スティーブンス・ジョンソン症候群(以下SJS)による視力障害が何をしても治らず、1995 年頃に当科で実施した移植も最初は経過良好でしたが、説明のできない炎症により、結局視力が低下しました。突然発症した本疾患による失明は、患者さんの人生を変えてしまいます。「患者さんに接するうちに、どうしても治らないSJS を『何とかしたい』と強く思いました。そして、2001 年頃に、医薬品被害救済機構の研究公募で、当教室からSJS に関する研究で応募しようということになり、この病気を治すためのアプローチを1 か月くらい、これ以上考えら れないというほど、考え続けました。それがSJSと中毒性表皮壊死症(以下TEN)の研究を始めた具体的なきっかけです」と臨床研究を担当されている外園千恵先生は語ります。